吸血鬼の結婚式

「そういえば私たち、結婚式を挙げていませんでしたね」
「確かに、人間が想像する結婚式のような機会は設けなかったな。色々あって、そんなことを考えている余裕もなく、簡素な契約で済ませてしまったか。どうする? 改めてやってみるか? と言っても私は吸血鬼の結婚式というものを知らないんだが」
「実は私も存じ上げません。でも、いいんですよ。形がどうであれ、あなたと結ばれたという儀式になっていれば。それが私たちの結婚式です」