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ヴァンパイアハンターとして吸血鬼に立ち向かうシエラと、彼女を支援する妹のエリス。吸血鬼討伐において無類の強さを発揮する姉に憧れ、力になりたいと強く願うエリスと、自分をサポートしてくれる自慢の妹を愛おしく想うシエラ。信頼できる者同士の共闘。

姉のシエラに身体を預ける妹のエリス。普段は極めて冷静に行動し、笑顔を見せないシエラも、敬愛する主の前では彼女に応え、少し表情を緩ませる。ヴァンパイアハンターとして背中を預けていた頃とは異なり、互いに向き合い、絆を確かめ合う機会も増えた。

「血」
それは吸血鬼であるシエラの生命の源であり、同時に吸血鬼である彼女が求め、そして彼女を狂わせるもの。
自らを血に染めた姿を見た彼女は、秘められた「獣」を解放する。

吸血鬼となった姉シエラの主として、普段は厳格な態度を心掛けるエリス。吸血鬼となった後もエリスはシエラを、そしてシエラもエリスを信頼し、主従関係を超えたパートナーとして結び付いている。しかし、時にはシエラの妹として、姉に甘えたくなるときもあれば、わがままを通したいときもある。そういうときに彼女は、そっと、邪な表情を見せるのである。

「よく来たな。これは君に協力をお願いする私の誠意だと思って欲しい」

吸血鬼たちをまとめ上げ、吸血鬼の「盟主」となったエリス。吸血鬼としての圧倒的な実力に裏打ちされた不遜な態度で、彼女はただ一人、新しい来訪者を試す。

吸血鬼の花嫁』とは、最愛の吸血鬼とともに同じ時間を生きることを選んだ、人間でありながら人間としての人生を捨てた者である。

主人たる吸血鬼は、永遠に彼女だけを愛する。

そして花嫁もまた、主人に永遠に血を捧げる。

吸血鬼の花嫁となったミアは、今日も月明かりの中、自らの主人――エリスを待ち続ける。

ベアトリスという人間を包み隠して暗躍するルフト。吸血鬼に堕ちて、様々なものを捨て去った彼女であっても、守るべきものがある。その意志、そして騎士の誇りが彼女にさらなる力を与える。

全ては主、そして大切な人のために。

彼女が最後の砦である。

「私を吸血鬼の盟主エリス・リゼアルクの妻、ミア・レスト・リゼアルクと知っての狼藉か」

私は彼女の力になれないのか。
彼女に守られることしかできないのか。

自らも剣を取って戦うという結論。
彼女の力になれなくてもいい。
せめて彼女の足手まといにはなりたくない。

自分の身は自分で守る。
その信念が漆黒の鎧となって顕現する。

「驚いたか? このような私でも、私の本分は未だヴァンパイアハンター、吸血鬼を狩る者だ。それに、既に協会からは離れている身。あの戦闘服も好きだが、こっちの方もそれらしいだろ?」

吸血鬼へと堕ちながらもヴァンパイアハンターとしての誇りを失っていないシエラ

彼女が吸血鬼を狩るのは主人の命か、それとも人間としての矜持からか。

「驚いたかしら? お姉ちゃんにきちんとしたヴァンパイアハンターの衣装があるなら、私にだって吸血鬼としての正装があってもいいでしょう? まぁ、私がこんな格好をするのもここだけだけど。雰囲気、出てるでしょう?」

様々な経緯を経て、正式に吸血鬼エリス花嫁となって主に尽くすことになったミア。普段は物静かでどこか憂いを帯びた表情で、あくまで献身的に、甲斐甲斐しくエリスに従う彼女だが、ときにエリスの愛を独占しようと、邪な表情を見せるときもある。

「たまにはあなたの従者ではなく、あなたに尽くす一人の女としてあなたに愛して欲しい、そういうときだってありますし、あなたもそれを受け入れてくれます……よね?」