吸血鬼の花嫁

吸血鬼が生涯でただ1人定めた人間の吸血対象のことを「吸血鬼の花嫁」と呼ぶ。これは吸血鬼と花嫁との契約であり、同時に花嫁以外の血は吸わないという人間に対する宣言である。

花嫁を持った吸血鬼は、その他の人間に対する吸血衝動が大きく消失する。しかし、花嫁の血しか吸わないというわけでなく、血を吸って欲しいという人間の願いを無下にすることもなければ、戯れに眷属とした吸血鬼の血を吸うこともある。あくまで、人間と共生するために、人間に対する宣言という意味合いが強く、全ては花嫁と自身を取り巻く人間次第である。
とはいえ、大半の吸血鬼にとってこの契約は厳格であり、ひたむきに遵守する者の方が多い。

花嫁は契約時に吸血鬼から血を分け与えられる。そして、継続的に血を分け与えられれば吸血鬼と同じ長寿となり、逆に血が与えられなかったり、血を拒めば人間としての生を取り戻す。

基本的に花嫁となるのは、吸血鬼側の性に関わらず人間の女性である。故に「花嫁」という呼称となっているのだが、例外的に男性を取ることもある。